危ナイ隣人

そして、その護衛として国王が指名したのが、私が演じるセティ。


舞台上では、ローラが出生についての話をされて……やばい、そろそろ出番だ。


「“ローラ。君は今日から、正当な王位継承者として、この城に住むことになる”」


「“えっ”」


「”身の回りのことはカミラ、警護はセティに──”」



国王役の大林くんのセリフ。


ここで出番だ。



「いよいよ出番だね!」


「頑張ってね!」



舞台袖に控えているクラスメート達からの激励を背に、舞台に繰り出した。



舞台に上がって初めて、観客の多さを知る。


え、人多くない……?

文化祭を自由に回れる時間だというのに、客席結構埋まってるんだけど。


塚田人気、恐るべし。



「”困ったことがあれば、すぐに彼らに言うように”」


「”そんな……っ”」


「”騎士団に所属しております、セティと申します。よろしくお願いします、姫様”──」



大勢の観客が見守る中、物語は順調に進んでいった。


森の中で暮らしていた頃の質素な服から、煌びやかに彩られたドレスに着替えた塚田くんは、舞台袖に下がった僅かな時間の間に、メイク班の手によって化粧直しが行われた。

少し濃いめのアイシャドウが瞼に乗せられ、唇にも舞台で生えるような鮮やかな紅色が引かれた。


これまた本人に言ったら怒られるんだろうけど、正直、すっごく似合ってます。



理不尽に城に連れてこられたことが不服だったローラは、やがてセティに心を開き、特別な感情を抱くようになる。