危ナイ隣人

ハッとしたようにこちらを向いて、ナオくんが薄い唇を動かす。



「先生はうちのクラスの教科担当だったし、元々親身になってくれてたんだけど……進路について個別で尋ねられたのは、その頃だったなって」



記憶の糸を手繰り寄せるように、慎重に言葉を選びながら話すナオくん。


そんな彼を見て、今度は大家さんが頷いた。



「個別で話を聞いたのは、御山くんからの連絡があったからだよ」


「やっぱり……!」


「元々、僕も気になってはいたんだけどね。

2年生の頃から授業を受け持っていて、色々な噂がある学年トップの秀才だってことは知ってたけど……3年生になってからは少し、雰囲気が違ったから」



3年生になってから……ってことは、お兄ちゃんが亡くなった後……だよね。


京香さんに聞いた話では、確か……。



「その頃にはもう、大学進学はせずに消防吏員の試験を受けることを決めてて、それで……」


「僕が聞いたら、少し言い淀んでたけど、教えてくれたよね」


「……はい。反対されるかもって、ほんとは言いたくなかったけど」