危ナイ隣人

「……え……?」



思いがけない光景に、思わず声が漏れる。


意識とは裏腹に持ち上げられた手。

それを包み込む体温。


その正体は……。



「茜……?」



ベッドに肘をつき、私の手を額に当てがっていた人物が、弾かれるように顔を上げる。



なんで。うそ、どうして。


私はまだ、都合のいい夢を見てるの?



「ナオ、く……」



びっくりして、状況を顧みず体を起こした私を、今度は大きな温もりが包み込んだ。


あちこちから伝わる体温が、回される腕の強さが、これが嘘じゃないって教えてくれる。



「なん、で……」


「なんでじゃねぇよバカ!」



耳元で響く懐かしい声は、怒っているようにも、泣いているようにも聞こえた。



「倒れてるお前を見つけた時、心臓止まるかと思ったんだぞ……!」



……あぁ、そっか。

ナオくんに抱き締められたまま視界を彷徨わせて、ようやく自分が置かれた状況を理解する。


逃げる途中で気絶しちゃったんだ、私。

それで……。



「ナオくんが、助けてくれたんだ……」