危ナイ隣人

お兄ちゃんはあんまり友達を家に連れて来なかったけど、高校生の頃、何度か友達を呼んでた。

その人の姿を私は見なかったけれど、残り香が今、あの人と重なる。


あぁ、そっか。

あの時うちに来てたのは、きっと──。



普段は忘れちゃってることも、こういう時は次々に蘇ってくるんだな。


懐かしいな。愛おしいな。

お兄ちゃんに、会いたいなぁ……。



何度もなんども、心の底からそう思うけど。




でもまだ私は、お兄ちゃんのところに行くわけにはいかないの。









一筋の光が真っ暗な視界に差し込む。


無意識に顔を顰めると、ほぼ同じタイミングで左足首に痛みが走った。



痛っ!

声にならない声は意識の中だけに響いて、重い瞼は再び閉じようとする。



「…………」



それでも、グッと力を入れて重力に逆らうと、白い光が視界を埋め尽くした。



ここ、は……?


白い蛍光灯に白い天井。

視界の端に映るのは薄いブルーのカーテンで、右手に感じるのは……。