危ナイ隣人

この辺りはまだ大丈夫なのかな。

よかった。


喉はまだ気持ち悪いし、なんだか頭も痛くなってきたけど……。



「あともうちょっ──」



踊り場に足を伸ばした瞬間、目の前の景色がぐにゃりと歪んで。

咄嗟にぬいぐるみを抱きかかえる。



あ、れ……?


意識はそこでぷつんと途切れた。









ゆらゆら揺れる心地いい世界で、これまでのことが走馬灯のように駆け巡る。


幼稚園の頃から現在に至るまで、色んなことが思い起こされて。

情報処理をしてるスマホとかパソコンの中ってこんな感じなのかな、なんて思う。



お母さんに叱られた時、いつもお父さんに泣きついてたな。

私にポ●ちゃんのお人形を勝手に買って、お父さんまで怒られてたっけ。


お母さんは昔から本当に料理が上手なんだ。

私が食べたいって言ったもの、全部作ってくれるの。

そういえば昔、どこかの国の料理を再現したって言って作ってくれたけど、美味しかったなぁ。どこの国だったっけ?