危ナイ隣人

親の期待に応えるために頑張り続けてきた直也は、努力を重ねることが当たり前とされてきた。

見られるのは結果だけで、その努力を誉められることはけしてなかった。


だけど、この時初めて認められて、肯定されて……直也の心は溶かされたんだと思う。



『おいおい泣くなよ』


『は、泣いてねぇっつの』


『強がるな……って、ナオ以上に京香が泣いてんじゃん』


『だ、だってぇ……!』



眉をハの字にした圭太に頭を小突かれて、ブレザーから伸びるセーターの袖で目元を拭ったけど、涙は次々に溢れてきて。



『直也!』


『……なんだよ』


『親のこととか色々あるだろうけど……何があっても、私と圭太がついてるからね……!』



何があっても、直也がどうであっても、私達だけは直也を信じる。


そう誓いを込めて言うと、圭太は大きな口を開けて笑ったわ。





それから年が明けて2月になって、私と圭太はそれぞれ志望校に合格した。


圭太はわりと余裕だったんだけど、私、行きたかった学部は結構ギリギリでさ。

後期までもつれるかもって思ってたけど、なんとか前期で受かったから、卒業式も晴れやかな気持ちで臨むことが出来たの。


卒業式には生徒会とか、限られた在校生しか出席しないんだけど、部活の後輩とか、みんな学校まで来てくれてね。

圭太ってば、後輩に慕われまくってたから、もう揉みくちゃにされちゃって。