危ナイ隣人

『だったら一々俺に構う必要ないだろ!?』



傍観していた私も、内心何度も頷いた。


この時ばかりは、よく知る圭太よりも、心底関わりたくない直也を全面支持したもんだわ。



だけど圭太は表情を崩さないままで、直也との距離を詰めた。



『純粋に知りたいんだよ。自由のないつまらないコミュニティで仲良しごっこをしないお前は、どれだけ楽しい世界にいるのか』


『……は?』


『俺にはどうも理解できないわけ。馬鹿にしながら学年トップをとり続ける意味が。さっきだって、死んだ目して、別に楽しそうでもなかったしな』



挑発しているのか心配しているのか、もうよくわからない。


ただ一つ、直也の瞳が揺れたことだけは確かだった。



『お前が何にイラついて何に反抗したいのかはわかんねぇけどさ。アンバランスなお前のこと、知りたいって思ったんだよ』



構う理由はそれで十分だ、と圭太は笑った。


その後ろ姿は、背中は、とても大きなものに見えたわ。


普通は、不良とつるんでいるだとか、タバコを吸ってるとか、そういう、目に見えるものだけを信じるじゃない。

でも、圭太は違った。


外に向かって牙を向ける直也の不安定さを感じとって、臆することなく寄り添うことを選んだの。


その真っ直ぐな思いは、凝り固まっていた直也の心を融かした。