危ナイ隣人

塚田くんは? と思って彼の手元に視線を寄越すけど、そこにあったのはストローの付いていないカップ。



「あれ。塚田くん、何にしたの?」


「ん? コーヒー」



当然のようにサラッと言われて、私は思わず目を見開いた。



「タピオカ飲みたかったんじゃないの!?」


「コーヒーのタピオカあるなら飲もうと思ったけど、ないから普通のコーヒーにした。ここ、コーヒーも美味しいって聞いてたから」


「あ、そうなんだ……。って、そうじゃなくて……」



てっきりタピオカが飲みたくて来たもんだと……。



私の反応を見て、ようやく言わんとしてることを理解したのか、彼はキャッキャとはしゃぐ真帆とくるみに視線を向けて、薄い唇を何気なく開いた。



「なんか元気ないように見えたから。ついて来てみた」



飄々とした塚田くんの横顔を思わずガン見してしまう。


その視線に気付いたらしい塚田くんは、何? とでも言いたそうに首を傾げた。



「いや……だって、ついて来てみたって」


「立浪さんと中居さんと同じだよ」



黒い宝石のような塚田くんの瞳が、私を容赦なく捉えた。

同じ色の髪がさらりと滑り落ちて、ぐっと言葉が詰まる。