危ナイ隣人

しまった、と思っても後の祭り。



「心配事、あるの?」



2人は目をきらりと光らせて、机の周りにしゃがみ込んだ。


あー、やっちゃった。確実にいらない一言だった……。


何とか誤魔化したいけど、2人は「話すまで動かない」と言わんばかりに私の目を真っ直ぐに見据えている。


こうなってしまっては、2人の追求からは逃れられそうにない。

不本意だけど、観念するしかないか……。



「別に、心配ってほどでもないんだけど」


「うん」


「新しい家のお隣さんの得体が知れないっていうか……」



うまく説明出来ている気がしなくて、もどかしさにわしゃわしゃと髪をかき乱す。


2人はまた目を丸くして、首を傾げていた。



「お隣さんって……悩みの種になるほどのものなの?」


「いやー……うーん……」



やっぱり、うまく説明できる気がしない。


この引っ掛かりは私の直感的なもので、うまく説明出来たところでちゃんと伝わりそうにもない。



「……ごめん、やっぱり何でもないや。直接何かあったら、その時はまた聞いて」