危ナイ隣人

「昴も女の子によく言われてるよなぁ。もっと愛想良くしたらいいのに! って」


「え。そうなの?」


「……まぁ」



私達から視線を向けられて、塚田くんは居心地悪そうに頭を掻いた。



「勝手なイメージ持たれやすいのはお互い様ってことで」



ふっと視線を上げた塚田くんの口角は緩やかに引き上がっていて、やっぱり綺麗な顔だなぁなんて思う。


普段クールなのに不意打ちでこんな笑顔向けられたら、女の子は堪ったもんじゃないな。

……って、私も一応女なんだけどさ。



「っと。あんまり油売ってると自販機行く時間なくなっちゃうな。俺ら行くわ」


「うん、いってらっしゃい。ありがとね」



近藤と塚田くんが廊下に出ていくのを見届けて、そういえば、と真帆が切り出す。



「一人暮らしはどう? ちょっとは慣れた?」


「あ、うん。片付けも無事に済んで、何とかやってるよ」


「そっか。それなら心配いらないね」


「心配……ね」



ほっとした様子の2人を前に、私は思わず心の中のわだかまりのかけらを口にしてしまった。

そんな私を見て、真帆とくるみはぱちくりと目を瞬かせ、顔を見合わせる。