危ナイ隣人

同調のオンパレード。


ここに来年は模試とかが加わってくると思うと、今から気が重いなぁ。



「上位者にはご褒美があるとかなら、少しはやる気も出るんだけどなー」



近藤の何気ない呟きに、すかさず真帆が反応する。



「もしご褒美があったとしても、近藤は貰えないんじゃない?」


「おっと、聞き捨てならねぇぞ。俺だって本気出せばなぁ……」


「褒美とかなくても本気出してくれ、太一」



塚田くんの切実な言い方に、その場がどっと笑いに包まれる。


例に漏れず私も笑い声を上げながら、ふと考えた。



ご褒美かぁ。


確かに、あるのとないのとではモチベーションも違うよね。


べつに欲しいものがあるわけじゃないけど……。



何となくその4文字が頭の中をぐるぐる渦巻いているうちに、昇降口に行き着いた。





校門を抜けると、向かい側の道路に見覚えのある車が停まっていた。


そのすぐ近くで、タバコに火をつけている人影が見える。



「ナオくん」



みんなの手前少し迷ってから、結局いつもの呼び方で呼んだ。

それでも無意識のうちに声が小さくなってたのは、とっさの理性が働いたからかもしれない。



「おう、お疲れ」



私の存在に気付いて、黒いダウンジャケットを着たナオくんがパッと顔を上げる。


ぼんやりと道路を照らす街頭の下で、彼の目が私の後ろにいる4人を捉えた。



「えっと……?」


「わっ、ほんとにイケメンだっ」



ナオくんの表情に困惑が浮かんで、どう説明しようかと思っているうちに、半歩後ろにいるくるみが黄色い声をあげた。