緊張の傍でもくもくと湧き上がる好奇心。
聞き耳立てるなんて悪趣味だしお行儀悪いってわかってるけど……ごめんなさい、本能が勝ってしまいました。
扉の向こうで鍵が開く音がして──
「起きてんだったら応答しなさいよバカ直也!」
刹那、女の人の高い声が403号室に響き渡った。
扉で隔たれているにも関わらず、大きな声はダイレクトに鼓膜を震わせる。
あまりの声量にびっくりして、思わず慄いてしまった。
「いきなり来てでけぇ声出してんじゃねーよ、近所迷惑だろ!」
「うるさいわねぇ、この私がわざわざ来てあげたっていうのに」
「頼んでねーし、いきなり来るのやめろって何回も言ってんだろ」
近所迷惑とか言っておきながら、あなたも声のボリュームもそこそこ大きいよー。
玄関開けっ放しだったら会話の内容も筒抜けだと思うけど……どこで話してんだろ。玄関先?
玄関から真っ直ぐに廊下が伸びてるから、さすがに様子を窺うことは出来ない。残念。
「何しに来たんだよ、まさか俺の顔見に来たわけじゃないだろ?」
「まさか! 愚痴ぶちまけに来たの。お酒持ってきたから飲みながら聞きなさいよ」
「あっ、おい勝手に上がるな……!」
シュラバにしてはなんだか様子がおかしいなぁ、なんて思っていると、ナオくんの声がやけに大きく聞こえた。
え……?
咄嗟の出来事にうまく反応できなくて、グッと息が詰まる。
気付いた時には、リビングに勢いよく飛び込んできた女の人と目が合っていた。
「……え?」
目線がぶつかって、女の人もまた、私を見て動きを止めた。
ダークブラウンの真っ直ぐな髪が、トレンチコートの裾と一緒に揺れている。
予想外の展開に息をすることも忘れそうになったところに、ナオくんが姿を見せる。
聞き耳立てるなんて悪趣味だしお行儀悪いってわかってるけど……ごめんなさい、本能が勝ってしまいました。
扉の向こうで鍵が開く音がして──
「起きてんだったら応答しなさいよバカ直也!」
刹那、女の人の高い声が403号室に響き渡った。
扉で隔たれているにも関わらず、大きな声はダイレクトに鼓膜を震わせる。
あまりの声量にびっくりして、思わず慄いてしまった。
「いきなり来てでけぇ声出してんじゃねーよ、近所迷惑だろ!」
「うるさいわねぇ、この私がわざわざ来てあげたっていうのに」
「頼んでねーし、いきなり来るのやめろって何回も言ってんだろ」
近所迷惑とか言っておきながら、あなたも声のボリュームもそこそこ大きいよー。
玄関開けっ放しだったら会話の内容も筒抜けだと思うけど……どこで話してんだろ。玄関先?
玄関から真っ直ぐに廊下が伸びてるから、さすがに様子を窺うことは出来ない。残念。
「何しに来たんだよ、まさか俺の顔見に来たわけじゃないだろ?」
「まさか! 愚痴ぶちまけに来たの。お酒持ってきたから飲みながら聞きなさいよ」
「あっ、おい勝手に上がるな……!」
シュラバにしてはなんだか様子がおかしいなぁ、なんて思っていると、ナオくんの声がやけに大きく聞こえた。
え……?
咄嗟の出来事にうまく反応できなくて、グッと息が詰まる。
気付いた時には、リビングに勢いよく飛び込んできた女の人と目が合っていた。
「……え?」
目線がぶつかって、女の人もまた、私を見て動きを止めた。
ダークブラウンの真っ直ぐな髪が、トレンチコートの裾と一緒に揺れている。
予想外の展開に息をすることも忘れそうになったところに、ナオくんが姿を見せる。



