危ナイ隣人

いや、信じてないワケじゃないんだけど。私から話振っておきながらなんなんだって感じなんだけど。


この踏み込ませない感じ……なんだかなぁ。



「ねぇそういえば──」



──ピーンポーン……



私の声を遮るように鳴り響いたチャイム音。


一瞬顔を見合わせてから、ナオくんがモニターを覗き込む。



「げっ」



モニターを覗くと壁が邪魔でキッチンから見えなくなったナオくんの姿は、またすぐに見えた。


モニターから飛び退くように、体をのけぞらせている。



「どうしたの?」


「バカ、見るな……!」



キッチンからモニターを覗き込もうとすると、今まで見たことないくらい焦った様子のナオくん。


手でモニターを隠そうとするけど、その前に見えてしまった。



大人っぽい……綺麗な、女の人。



ナオくんはかなり焦った様子で、通話ボタンを押そうとしない。


そうこうしてるうちに、再びチャイム音が鳴り響いた。



「……出ないの?」


「いや……」



歯切れが悪い。

視線も宙を行ったり来たり。



「って、うわっ」



ナオくんが声を上げるから何かと思えば、エントランスのロックを解除していないのに、女の人が中に入ろうとしている。


エレベーターに向かう姿が見切れるのと同時に、中から別の人が現れたから……なるほど、マンションの住人が外に出ようとロックを開けたのね。