危ナイ隣人

「当番の時は、いつでも出場出来るように活動服のまま仮眠とるんだけど、やっぱ気ィ張ってるからそんな寝た気がしねぇんだよな」


「そっか、24時間勤務なんだもんね」


「そう。朝帰ってきて、シャワー浴びて洗濯物とか干してるうちに眠くなってきて、結局昼過ぎとか夕方まで寝るんだよ」



なるほど。だからいつも会う非番の日の夕方には寝癖がついてるってわけね。



「昼間に買い物行ったりしないの?」


「まぁ、たまに。千秋(ちあき)に連れ出されたりするし」


「チアキ?」



突然話題に出てきた名前に、ぴくりと眉が反応する。


と、そんな私を見てナオくんが首を傾げた。



「茜も会ったことあるだろ? 本郷千秋」


「本郷って……ナオくんのこと介抱してた男の人!?」



ナオくん(略)泥酔事件の時、ナオくんと一緒にいた物腰の柔らかい男の人。


朗らかな雰囲気とは裏腹に、結構筋肉質な人だった記憶がある。



「そうそう。アイツ、俺の同期で同じ班なんだよ」


「あの場にいた人はみんな消防士?」


「あぁ、男はな。残りの2人は、どっちも同じ班の先輩」



残りの2人の姿も思い浮かべる。


えっと、確か……女の子大好きだって言う一番最年長っぽい中川さんと、そんな彼を静かに制していた九重さん……だったかな。