危ナイ隣人

つつがなくクリスマスは終了し、26日。





「突撃! 隣で晩ごはーん。いえーい」



両手でお鍋を持ち、肘でインターホンを押した私を、側頭部に寝癖をつけたナオくんが出迎えた。


目を丸くして、それから「何言ってんだコイツ」と機嫌を損ねた猫ばりに顔をしかめていらっしゃる。



「今日このあと暇? 暇だよね? 角煮が美味しくできたの。一緒に食べようよ」


「暇って、決めつけかよ。まぁ何も予定ないけど」


「やった。上がっていい?」



お鍋を抱えたまま言うと、ナオくんは無言のまま通してくれた。



「つーか、なんでインターホンなんだよ。鍵持ってんだから、勝手に入ってこればいいのに」


「無断では使わないって、いつも言ってるでしょ。メッセージ送っても既読つかないんだもん」


「え、嘘」


「ホント」



真木直也(24歳・消防士)チューハイ2杯で泥酔事件(勝手に命名)の時、ナオくんが普段使ってるやつだって偽って私の手元を離れた鍵は、お詫びのケーキと共にすぐに戻ってきた。

今も、404号室の鍵と隣り合わせでキーケースにぶら下がっている。


でも、鍵を使う時はあらかじめ連絡するって言ってある以上、返事のない時に鍵は使えない。



「あ。まじだ、通知来てる。全然気付かなかった」


「また寝てたの?」


「またって言うなよ、人をナマケモノみたいに」


「だっていつも寝癖ついてるじゃん」



迷いなくキッチンに足を踏み入れ、持参したお鍋をコンロに置く。


リビングの方を横目に見ると、頭を気にするナオくんの姿があった。