危ナイ隣人

スナオってやつは、どうも得意じゃない。

可愛げなくても、どうか大目に見てほしい。



「どーいたしまして」



ナオくんは得意げにそう言って、私の頭に手を乗せわしゃわしゃ髪を掻き乱す。


ちょっと、と反射的に言いそうになったところを、ぐっと堪えた。



今度こそ、ナオくんの背中をまっすぐに見つめる。


悔しいけど、広い。

この大きな背中は、一体どれほどの人を救ってきたんだろう。

どれほどのものを背負っているんだろう。


どうして──消防士になろうと思ったんだろう?



考えれば考えるほど、私はこの人のことを何も知らない。


ほんの片鱗しか見せてくれないこの人のことを、少しだけ、知りたいと思った。





恋人なんてものはいないので、クリスマスは真帆とくるみの3人で過ごした。


イブからうちに集合して、例の如く朝まで語り合って昼まで寝て。

起きてからクリスマスケーキを焼いて、他にもご馳走を作った。

さすがに、チキンは買ったやつだったけどね。


1人3千円までって決めて買ったクリスマスプレゼントは、シャッフルしてどれが誰に渡るか決めた。


私が当たったのは、くるみが選んだリップ。

女子高生に人気のブランドのもので、カラーは淡いピンク色。


私と真帆、どっちが当たっても使えそうなカラーを選んだあたり、さすがくるみだと思ったよ。


ちなみに、私が選んだヘアオイルは真帆へ、真帆が選んだカモミールモチーフのネックレスはくるみに行き渡った。