しばらく、彼の後ろ姿を眺めた後 帰り道を歩き始めた。 (今のは、夢か?現実か?… いや、本物だった。) 彼は、確かに目の前にいて 私に向かって¨ありがとう¨ と言っていた。 嘘みたいな本当の話。 私は、何年ぶりか分からない 異性に触られた腕を眺め 今にも飛び出しそうな心臓を どうにかしたいと必死で考えていた。