地味女子。〜恋物語〜

そして、あまりの怖さから、
何も言えないまま、固まっていた。

すると、

タッタッタッタ.....

後ろにいた男の人が、急に

私の前に回り込んできて、
驚いた私の目を見ながら

「あ、すみません....俺です!
俺なんです、今の...その、
レンズを手で隠したの...あ、
そんな、だから、
壊れたとかじゃない…のと
怖がらないで・・・
もらえますか … 。」

困ったような顔で、恐らく
怖がらせないように、小さな声で
慌てながら、話しかけてきた。

私は、何も言えないまま、
首を縦に何回か振った。

すると、安堵した表情で

「写真...好きなんですか..」

と、困り顔で、少し微笑みながら
ゆっくりとした口調で、
問いかけてきた。

私は、わかるくらい首を
小さく縦に振った。

「...そっか。野球部…の
皆のこと...撮ってたんですか」

そう優しく問いかけてきた彼は、

ユニフォーム姿で、明らかに

野球部の人だった。

私は少し、怖くなって

目を瞑りながら、首を縦に振った。

そのまま、下を向いた。