地味女子。〜恋物語〜


目を細めながら、こちらを見ている。

その子は、ショートカットで、
身長は遠くても分かるくらい背の高い子。
女の子っぽいが男の子にも見える。

(だれだろう....)

「あのな、ココでやりたかったら、
うちの顧問に許可もろてくれ。

今日は使うなんて聞いとらん、
うちは練習したいんや。
...いやお前らもか....いやいやいや、
でも、ココは今日、うちが使うゆうたから、
他当たってくれ。」

間髪入れずに、流暢な口調と関西弁…
いや、それに似た不思議な方言(?)で
話続けた。

内心
(あなたのほうが、演劇部に向いているのでは?)
と思ってしまったのは、言うまでもない。


私たちは、その子に圧倒されながら、すぐに、

(やばい奴だ・・・)

と察知した。

A子は、横たわっていた体を起こし、
腹部を押さえながら出入口へと向かった。
A子のメンバー5人も、
A子に駆け寄り、寄り添うように出ていった。

私もA子が出ていくのを見届けた後、
立ち上がり出入口へと向かった。

声も身長も大きなその子の横を
通り過ぎようとした瞬間
いきなり、グイっと腕を引っ張られ

「おいっ!」

と、声をかけられた。

私は思わず

「え?」

と呟き、振り返った。

次の瞬間、

-- パンッッ --