「えへへ。カヤちゃんがあんまりにも可愛いお顔していたので吃驚してしまいました」
「まるで産まれた初めて贈り物貰いました、って感じの顔してたわね」
2人の苦笑い交じりの言葉に、恥ずかしさで俯く。
「し、仕方ないじゃんか……こんなの、慣れてないんだから……」
ふと、数日前に翠の体調を測ろうとして、彼を戸惑わせてしまった事を思い出した。
(……あの時の翠も、こんな気持ちだったのかな)
今更ながら、申し訳ない事をしてしまった。
「ふふ、からかっちゃってごめんなさい。ほら、さっそく付けてみましょう?」
口を尖らせていると、ナツナがそう言って、そっとカヤの手から腰ひもを受け取った。
そして手際よくカヤが今している腰ひもの上から、その腰ひもを巻き始める。
少し緊張しながらされるがままになっていると、
「出来ましたよー。わ、似合いますよ、カヤちゃん!」
腰ひもを巻き終えたナツナが、はしゃぎながら言った。
見下ろすと、太陽の色をした腰ひもは白い衣に映えるようにして嬉しそうに佇んでいた。
「へへ……毎日付けるね」
照れながら言うと、ユタがからかうように言った。
「使いすぎて駄目にしちゃわないようにしなさいよ?」
「し、しないよ!絶対しない!」
慌てて返したカヤに、ナツナもユタも笑った。
釣られてカヤも吹き出し、3人はしばらく笑い合った。
「……さて、もし良かったら皆で回りませんか?祭事はまだまだこれからですし」
3人の笑いが落ち着いた頃、ナツナがそう提案をした。
そうしたい気持ちは山々なのだが、ユタは良いのだろうか。
チラリと彼女見ると、ユタは腕を組んでぷんっと顔を反らした。
「い、良いんじゃない?一緒に回りましょ!……私と、ナツナと……カヤと!3人で!」
初めてユタに名前を呼ばれ、カヤは息を呑んだ。
彼女の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
行動と言葉が伴っていなさすぎて、カヤは笑いを堪えながら大きく頷いた。
「うん、そうしよう」
「ふふ、それでは行きましょう。私、お腹減っちゃいましたー」
ナツナが嬉しそうに言って、カヤの右手を握る。
そしてカヤの眼を見つめながら、小さく頷いた。
ナツナの意志をくみ取ったカヤは、左側に居たユタの右手を左手で優しく握った。
ユタは一瞬驚いた顔を見せたが、やがて握った手に力を込める。
「行こう!」
しっかりと手を握り合った3人は、賑わう人々の群れに向けて駆けだした。
それはもう、夢のように楽しい時間だった。
カヤ達は、先ほどは流し見をしていた露店を今度はじっくりと眺めて回った。
美味しそうな食べ物に目移りしまくったため、互いに食べ合いっこしたりして楽しんだ。
特に格別だったのは、最近東の地で流行っているのだという小麦粉を焼いた甘味で、思わずもう一つ買ってしまうほどだった。
「まるで産まれた初めて贈り物貰いました、って感じの顔してたわね」
2人の苦笑い交じりの言葉に、恥ずかしさで俯く。
「し、仕方ないじゃんか……こんなの、慣れてないんだから……」
ふと、数日前に翠の体調を測ろうとして、彼を戸惑わせてしまった事を思い出した。
(……あの時の翠も、こんな気持ちだったのかな)
今更ながら、申し訳ない事をしてしまった。
「ふふ、からかっちゃってごめんなさい。ほら、さっそく付けてみましょう?」
口を尖らせていると、ナツナがそう言って、そっとカヤの手から腰ひもを受け取った。
そして手際よくカヤが今している腰ひもの上から、その腰ひもを巻き始める。
少し緊張しながらされるがままになっていると、
「出来ましたよー。わ、似合いますよ、カヤちゃん!」
腰ひもを巻き終えたナツナが、はしゃぎながら言った。
見下ろすと、太陽の色をした腰ひもは白い衣に映えるようにして嬉しそうに佇んでいた。
「へへ……毎日付けるね」
照れながら言うと、ユタがからかうように言った。
「使いすぎて駄目にしちゃわないようにしなさいよ?」
「し、しないよ!絶対しない!」
慌てて返したカヤに、ナツナもユタも笑った。
釣られてカヤも吹き出し、3人はしばらく笑い合った。
「……さて、もし良かったら皆で回りませんか?祭事はまだまだこれからですし」
3人の笑いが落ち着いた頃、ナツナがそう提案をした。
そうしたい気持ちは山々なのだが、ユタは良いのだろうか。
チラリと彼女見ると、ユタは腕を組んでぷんっと顔を反らした。
「い、良いんじゃない?一緒に回りましょ!……私と、ナツナと……カヤと!3人で!」
初めてユタに名前を呼ばれ、カヤは息を呑んだ。
彼女の顔がみるみるうちに赤く染まっていく。
行動と言葉が伴っていなさすぎて、カヤは笑いを堪えながら大きく頷いた。
「うん、そうしよう」
「ふふ、それでは行きましょう。私、お腹減っちゃいましたー」
ナツナが嬉しそうに言って、カヤの右手を握る。
そしてカヤの眼を見つめながら、小さく頷いた。
ナツナの意志をくみ取ったカヤは、左側に居たユタの右手を左手で優しく握った。
ユタは一瞬驚いた顔を見せたが、やがて握った手に力を込める。
「行こう!」
しっかりと手を握り合った3人は、賑わう人々の群れに向けて駆けだした。
それはもう、夢のように楽しい時間だった。
カヤ達は、先ほどは流し見をしていた露店を今度はじっくりと眺めて回った。
美味しそうな食べ物に目移りしまくったため、互いに食べ合いっこしたりして楽しんだ。
特に格別だったのは、最近東の地で流行っているのだという小麦粉を焼いた甘味で、思わずもう一つ買ってしまうほどだった。
