「彩のことが好きだ。今まで言葉にできなくてごめん。

でも、彩がコクってくれる前から好きだった。
本当は、俺が修学旅行委員のやつに頼んで、同じ班にしてもらったんだ。運命だと思ってるみたいだけど、ごめんな。
それに言い訳みたいだけど、もし、彩が俺にバレンタインくれたら、告白しようと思ってたんだ。それなのに、先を越されて。
悔しいし、恥ずかしいし、情けなくて。その時に俺も好きだって言いそびれたんだ。
このままじゃ嫌だから言わせてもらうな。

メイクをしてなくても、彩はいつでもかわいい。俺のことを待ってる時の寂しそうな表情も、俺が来たって気づいて喜んでる表情も、これから先ずっと俺だけのものだ。他のやつに譲ってやるなんて無理だから。

不安になったら教えて。彩が安心できるまで伝え続けるから。俺は彩のことが好きだって。」


「ぅっ、うっ、ぅぇーん。ひっく。そ、んな、急に、優しいこと、言うな、んて、ず、ずるい。
私だって、ずっと、好きだもん。」

「彩が毎回そう言ってくれるから俺は安心しきってたんだ。同じクラスじゃなくても、彩は俺のことを忘れないって。

でもさ、壁1枚向こうじゃ目も合わないんだよな。彩が勇斗と仲良くしてるのに、気づけないんだ。視界に入らないと彩の心の中から俺が消えちゃうんだよ。
俺、1年我慢するの無理かもしんねぇ。」

「え、、別れるとか言わないよね。」

「言わねぇよ。言うわけねぇだろ。絶対やだわ。」