「何でミカが泣いてんだよっ!!」


「し、知らないよっ!」


「知らねぇ!?」


今にも殴りかかりそうなユウキに私は膝のお弁当そっちのけで慌てて止めに入った。


「ユ、ユウキ!!この人は関係ない!!」


「関係ない?」


胸ぐらを掴む力を緩めたのか、その隙に「ご、ごめんなさいっ」と男の子は逃げていった。


「関係ないって何だよ?ていうかなんで泣いてんだよ」


「ご、ごめん…」


「はぁ…」


呆れたように私に背を向けて歩き出したユウキ。また嫌われちゃったなぁ…。すっかり涙は引っ込み、落としてしまったお弁当を拾っていると視界が暗くなり、見上げると頭をかくユウキの姿。


「ったく…」


しゃがんで拾い出してくれるユウキ。なんで優しくするの…?ユウキ…。