アイツの溺愛事情



「はぁ、はぁ……」





危な、死ぬところだった……。てか、なんでみんなの前で言うのかな?!




家に帰ったら、説教だな!決定!




「ねぇ、さっきの見たァ?」




さっきのファンの皆さんだ! あわよく、私はトイレの個室に入っているので存在は、バレていない
はず……。




「あ〜、高野さん?」




「そうそう。なんで、高野さんみたいな人が、七瀬くんと話してんの!?」




「それなぁー、意味わかんないし」




「てか、呼び捨てだったよね!親しげ〜。怪しいなー」

「いや、彼女とか言ったらまじでどうかしてる」




……。 どっかの誰かさんのおかげで、私はさんざん言われ放題なんですけど。




まぁ、言われても仕方ないよね。




あんなに人気者な翔斗と、地味〜な私とは。




シーン……。 もう行ったかな?




よし、大丈夫だ。 危機一髪だった。