「今回のビーツ文庫大賞は
佐々木葉音さんの
『優しさ故に君を。』です。

佐々木さん、壇上にどうぞ。
受賞についてひと言お願いします。」

少し緊張しながら壇上にあがる。
手のひらが少し汗ばんでいた。

壇上にあがって頭を下げる。

「このたびのビーツ文庫大賞作品
『優しさ故に君を。』を書いた
佐々木葉音です。」

軽く自己紹介をすると、
司会が私に話題を振った。

「佐々木さん、この作品に
込めた想いを教えていただけますか。
かなりの衝撃作でしたが。」

衝撃作、か。

世間の人はそう捉えるかも
しれないけれど、私にとっては
大切な、大切な作品だ。