次の日。

「.........ん、もうこんな時間か。」

目を覚まして時計を見ると9時。
普段はいつも7時に起きてんのに、
かなり寝過ごした。

着替えがないから仕方なく何か適当な
服を着ようとスーツケースを
手繰り寄せると、その上に綺麗に
畳まれた俺の服が乗っかっていた。

『寝てる間に洗濯しといた。
私は起きるの遅いから起こして。』

葉音の字でそう書かれたメモが
服の上にちょこんと乗っていて、
思わず苦笑する。

アイツはほんと、気が利くよな。
服を着替えると、コンビニに行って
朝飯を買ってから葉音の部屋に
入って彼女の身体をゆらゆらと揺する。

「朝だぞ。早く、目ぇ覚ませ。」

その声にぱちりと目を開ける葉音。

「ふぁあ。おはよう、奏。」

「ん。洗濯ありがとな。助かった。
朝飯はコンビニでパン買ってきたから
さっさと食って行こうぜ。」

「はいはい。」