葉音は立ち上がって、凜の方に
キツい視線を投げ掛けた。

「凜、ごめん。やっぱり私は結乃の
友達でいるから。凜の味方に
なることは出来ないよ。」

凜は笑っていた。

「私は別にアンタみたいな馬鹿真面目の
委員長なんて友達にいらないから。
いつの日か結乃と同じ目に遭うよ。」

少しつり上がり気味の挑戦的な瞳。
その瞳に宿っているのはどこまでも
深い真っ黒な闇だった。

「私はもう間違わない。これからは
結乃や奏を疑ったり傷つけたり
絶対にしないってここに誓うよ。」

「したいならそうすれば~?」

凜はフラりと教室を出ていった。




その日を境にして...








凜はまるで影をひそめるかのように
ぱたりと学校に来なくなった。