「俺の事?」

「そ、太郎を好きな事」

「はぁ・・」

もちろん話の流れで気付いてはいたが、いざ言葉にされると溜息のひとつもしたくなる。正直どう扱っていいものか複雑な気分だ。

「お前さ、俺の事何も知らないし、知り合って何回も顔合わせてないだろ」

「それ、太郎には言われたくないんだけど?それに太郎と違って私は自分の気持ちに自信あるし」

華月の満足気な顔を見ていると『若いっていいな』なんて言葉が頭に浮かんだ。

「自信ったってまだ1週間かそこらだろ?俺は10年越えだ」

「違うし」

「はぁ?そりゃ正確には1週間ちょいだろうけど、大差ないだろ?」

「初めて【タンポポ】を読んだのは12歳の時、素敵な物語だなって思った」