僕はフラフラっと近付いていった。これがアレンとの初めての出会いだった。痩せた体で背は僕と同じくらい。やたら大きな目が特徴的だった。目の前でドリブルを見せてもらう。手から離れたボールは手品みたいに足の間を往復する。すげー、思わず声に出た瞬間、ゴールに向かったアレンの手から放たれたボールはきれいな弧を描きネットに吸い込まれた。口を開けて見とれてる僕にアレンは何か言った。多分僕にやってみろって言ってるんだ。ボールを受けとった僕はボールを手に持ってそのままゴールに向かった。ゴール下で思いっきり投げたボールはゴールリングに当たって跳ね返った。ボールはワンバウンドでアレンの手元に収まった。そのままアレンは軽くジャンプするとボールを放った。ボールは高い軌道を描きリングに吸い込まれていった。これが僕からアレンへの生涯初アシストとなった。これから続くバスケ人生の幕開けだった。