学食でこんな会話を偶然、盗み聞きする機会が得られた。

 食事を済ませてテーブルを離れようとした時、後ろのテーブルから男女2人の会話が聞こえて来た。
 コソコソと喋り合っているけど、耳の良いカトリーはしっかりと聞こえている。

 ちょっとワケあり気な会話に興味が抱いちゃう。

「俺、灰原さんの事が」と男子が言った。

「志保の事が…どうかした?」と女子。

 男子は何故か、落ち着かない様子だった。
 既にカトリーにはピンと来るモノがあった。

「ココだけの話し…、好きに…なっちゃった…」

 すると女子がストップをかけた。
 目を細めた女子は男子に忠告みたいな事を口にした。

「やめなよ佐武! 志保を好きになるなんてどーかしてる!」