「私の事、キライだから?」

「好きだからとかキライだからとかじゃねー。今言ったろう? オレには…」

 言う前に志保が言葉を発する。

「わたしの質問に答えなさい」

「ハァ? 何を?」

「私の事が好き?」

「ヤボってもんだろう、その質問」

「女の子にとっては大切な事なんだよ。ちゃんと答えて」と志保は不満顔を見せる。

「イヤだよ、答えたくねーよ」

「答えたくないって事は、私の事を」

「やめてくれ!もう」

 お前の方で考えろよと言って、星谷は立ち去った。
 これ以上、志保に付き合っていると日が暮れると思って早く切り上げたのだ。