振り向いて、お姫さま。




「僕と、付き合ってくれますか?」



香織ちゃんの目が大きく見開かれてから、不安そうに口の端がきゅっと下がる。



「北條先輩、浮気しないでくださいね?」



想像もしていなかった言葉が返ってきて、パチパチと瞬きを繰り返す。



「え?するわけないけど、どうしてそんなこと言うの?」

「北條先輩の周りには、吉田さんみたいな可愛い子がたくさんいると思うので......」



吉田さん?



「ごめん、誰のことだろう?」



香織ちゃんが言っているのが誰なのかわからなくて、そう聞き返す。



「あの、可愛い女の子です」

「可愛い女の子って......香織ちゃんしかわからないんだけど」

「っ、わ、私と同じクラスの、身長がちっちゃくてツインテールの女の子ですよ!」



香織ちゃんと同じクラスの……?