「本当は、入学式の日、一目惚れしました」

「……え?」



入学式?

衝撃的な言葉に、目が点になる。



「北條先輩の声とか、優しい雰囲気とか、笑顔とか、知れば知るほど好きになりました。今は......もっともっと好きです」



飛び上がるほど嬉しい告白だったけど、頭の上のはてなマークは増える一方だった。


待って、どういうこと?

じゃあ、僕の告白を断り続けていたのはいったい......。



「北條先輩に告白されて、すごく嬉しかったのに......不安になったんです」



僕が尋ねるよりも先に、理由を話し始めた香織ちゃん。

その話に、じっと耳を傾ける。



「北條先輩は夢で見たとか、私が落ちてきた状況に恋してるだけで......それは本当の〝好き〞じゃないんじゃないかって」



香織ちゃんは、そう言って悲しそうに俯いた。