「会長、生徒会室行きましょう!」



放課後になっても立ち上がる気にならず、うつ伏せていた俺を、生徒会役員の女子生徒が呼びにきた。

生徒会なんてもうどうでもいい。

今はそれどころじゃない......と思いながらも、渋々立ち上がった。



「うん、行こうか」



このまま生徒会長の仕事まで放棄して、香織ちゃんに呆れられたら元も子もない。

せめて今は、少しでも香織ちゃんに好きになってもらえるように頑張ろう。


僕にはそのくらいしか、できないから。



いつのまにか集まってきた女子生徒たちの話を流しながら、生徒会室に向かう。

ああ、香織ちゃんに会いたい。

馬鹿のひとつ覚えみたいにそればかりを考えていた時だった。 歩いてくる人の姿に、息を飲む。