「ふふっ、わかりやすいわね〜」
「......う、うるさい!」
いつもは朝のHRが始まるまでに来てくれるのに、今日は昼休みになった今も姿を現さない。
こんなことは、告白されて以来初めてだ。
「でも、毎日のように来てたのに、どうしたのかしら?」
「い、忙しいんじゃない?」
「んー、会長様だもんねぇ......あ!」
突然、窓の外を見て、固まった朱音。
「ん?どうしたの?」
私は朱音の視線の先を、確認するように見た。
視界に映った光景に、目を見開く。
「え?」
あれ、北條先輩?
中庭で、楽しそうに女の子と話している北條先輩の姿に、胸がずきりと痛む。
忙しいわけでは、なかったのかな。
それに、一緒に喋ってる女の子って......。
「あれって、吉田さん?」
朱音が、二人の姿を見ながらそう口にする。