「私、後期から生徒会に入りたくて、よかったらお話を聞きたいなと思ったんですけ ど......」
その言葉に対して、断る言葉が思いつかなかった。
「うん、どうぞ」
内心肩を落としながら、笑顔でそう答える。
生徒会に興味がある子を、邪険にはできないか。
ただでさえ希望者不足だし、それに僕に対して特別な感情がないなら、生徒会長として説明するくらいしてあげないと。
「ほんとですか!ありがとうございます!」
女の子は嬉しそうに笑いながら、僕の隣に座った。
隣から香ってくる、女の子っぽい匂い。
うん、この匂いは好きじゃない。
香織ちゃんのあの、何の衒いもない、自然な匂いが好きだ。
そばにいるだけで落ち着いて、それなのにドキドキする。
ああ、早く会いたいな......と、思わずにはいられなかった。