振り向いて、お姫さま。




ソフトを使える人間が生徒会内におらず、クラスメイトにデータの作成を手伝ってもらった。



「ごめんね綾瀬。生徒会の仕事なのに」

「いいよ別にこのくらい」

「本当に助かるよ。来年は生徒会に入って欲しいくらい」

「俺部活あるから無理だわ」



冗談交じりにそんな会話をしながら、なんとか一限目が始まるまでにデータを作り 直した。


しかし、災難は続いた。

生徒会室のプリンターが壊れていて、使えるのは普段使用されていない古いプリン ターのみ。休み時間は全てコピー時間に消え、香織ちゃんに会いに行けるのは放課後になりそうだった。


はぁ、朝一に香織ちゃんに会いに行くのが日課なのに......。