「夢で出会ったとかなんとかって言ってましたけど、それにしても私なんか普通選ばないですよ」



一瞬、言葉の意味が理解できずに思考が停止してしまった。

私なんか選ばないって、もしかして、僕が香織ちゃんを好きなことに対して、趣味が悪いって言ってるの?



「なにそれ。香織ちゃん、そんなふうに思ってたの?」



驚いた。

まさか、香織ちゃんが自分自身の魅力に気づいていないだなんて。



「もっと自分に自信持っていいのに。香織ちゃんは、僕が出会った中で一番素敵な女
の子だよ」



嘘偽りない言葉を告げると、香織ちゃんはまるで「何を言っているんだこいつは」とでも言いたげな表情を浮かべた。



「素敵って......夢で出会った子が、ですよね?」



僕があんな告白の仕方をしたから、勘違いさせてしまったのかもしれないけど、それは違う。



「夢は、きっかけのひとつだよ」



僕は、そう言って微笑んだ。



「すごくリアルな夢だった。なんだかスピリチュアルな話になるかもしれないけど、その夢が忘れられなかった」



ずっと心の中で引っかかってた。

……香織ちゃんに、出会うまで。