生徒会にもよく顔を出す先生だから、僕の姿を見て驚いていた。



「お疲れ様です先生」

「お前も手伝ってくれたのか?」

「ほんの少しだけですよ」



そう返事をすると、満面の笑みを浮かべる先生。



「いやぁ助かったよ、ありがとうな!」



感謝するなら僕じゃなくて、香織ちゃんにだけしてほしい。



「先生」

「ん?どうした?」

「女の子ひとりにこんな量の仕事させるなんて、ダメですよ。愛崎さんが優しいからって、あんまり押し付けないであげてください」



ちゃんと言っておかないと、また同じようなことが起きたら困る。

今日は僕が偶然遠回りをしたから気づけたけど......もしひとりで遅くまで残っていて、変なやつにでも絡まれたらどうするんだ。