「なんだか、天下の生徒会長がホッチキス留めしてるなんて、変な光景ですね」
天下の生徒会長って。
香織ちゃんの言葉に、思わず笑ってしまった。
「似合わない?」
「似合いません」
ズバリと一刀両断され、また笑いが溢れた。
「まさか終わると思ってませんでした......」
十八時五十五分。
プリントの山が、ついにひとつになった。
驚いている香織ちゃんに、労いの言葉をかける。
「お疲れ様」
「ほとんど北條先輩にしてもらっちゃいましたね」
申し訳なさそうに眉の端を下げる香織ちゃんに、慌てて否定した。
「そんなことないよ」
香織ちゃんは、丁寧に頑張っていた。
僕のと比べれば一目瞭然。
こんなに綺麗に留められるなんて、ある種の才能なんじゃないかと思うくらい。
それに、僕がこうして手伝ったのは、相手が香織ちゃんだったから。

