「......ありがとうございます」
許可が下りて、僕は「こちらこそありがとう」と感謝する。
香織ちゃんからホッチ キスを受け取って、腕をまくった。
「北條先輩、恐ろしく速いですね」
パチンパチンと、一定のテンポでホッチキスを留めていく。
そんな僕を、香織ちゃんが驚いた様子で見つめて来た。
「雑用は生徒会の専売特許だからね」
「北條先輩でも雑用とかするんですか?」
「もちろん。雑用ばっかりだよ」
「意外です......」
びっくりしている香織ちゃんに、いったい生徒会ってどんなイメージを持たれているんだろうと苦笑いを返した。
基本的に、雑用しかしてないと思うけど。
生徒会役員だなんて、役名はかっこいいかもしれないけど、ただの便利な雑用係だ。
先生たちから面倒ごとを押し付けられる集まりに過ぎない。

