初めて先輩の姿を目にしたのは、入学式の日。
『在校生代表挨拶。生徒会長、二年......北條誠司』
『——はい』
ステージに上がるなり、体育館内の視線を一気にさらっていった先輩。
私も例外ではなく、目を奪われた。
否定する術が見つからないほど、紛れもなく一 目惚れだった。
柔らかい雰囲気も、話し方も、優しい笑い方も——見れば見るほど好きになっていった。
入学式に一目惚れしたからと言って、接点なんて皆無。
それでも私は、同じ高校に 通っているというだけでも、充分幸せだった。
そう、思っていたのに——。
貧血で倒れたところを助けられ、その翌日に告白された。
今でも鮮明に覚えている。
あの、衝撃的な告白を。

