恋愛初心者です、お手柔らかに?

電車を乗り継ぎ、涼子ちゃんが住んでいる街にやってきた。
閑静な住宅地。

「へぇ、涼子ちゃん、家買ったんだ。旦那さんって涼子ちゃんと同い年だったよね。凄いよね」

「無理したって、広樹言ってたな」

「え?広樹って?旦那さんとも知り合いなの?」

「あ、話してませんでしたか?天野に広樹を紹介したのって俺なんですよ」

「え?うそ。知らなかったわ。そうなんだ。じゃ、旦那さんと齋藤君は同級生なの?」

「ええ、高校ん時の同級生なんですよ」

「へぇ、そうなんだぁ」

他愛のない話をしながら、涼子ちゃんの家まで2人並んで歩いていた。

齋藤君の顔を横から見た。
本当、綺麗な顔。
あなたのその笑顔を独り占め出来たら、どんなにいいだろう。
その瞳で私を見つめてほしい、その口で私を好きだと言ってほしい…
望むだけなら、許されるかしら、なんて妄想が膨らんでいた。

「…さん?永山さん?」

「あ、あぁ。どうしたの?」

不意打ちをつかれ、いきなり声をかけられびっくりしてしまった。

「大丈夫ですか?もうそこですよ」

「う、うん。大丈夫、え?ここ?」

妄想が進んでいたみたいで、いつの間にか、涼子ちゃんの家に着いていた。