恋愛初心者です、お手柔らかに?

デートな訳ないわけで…夢は夢よね。

「これどうかな?」

「あ、いいんじゃないですか。天野喜びますよ」

「そう?じゃ、これにするねっ。包んでもらってくるから、ここで待っ…」

待ってて、と言おうとした私を遮り、齋藤君は選んだ物を持って、レジに向かって行った。

「え?な、なんで…齋藤君!」

「俺が買います。俺もお祝いしてなかったし」

「じゃ、じゃあ、一緒にしようよ。半々にしない?」

そう言いながら、お金を渡そうとした私の手を齋藤君は力強く握った。

ちょっと待って。

「これで、今日何か奢って下さいよ。いいですね?」

「あ、う、うん。分かった」

「じゃ、払ってきますね」

ニコッと笑うと、齋藤君はレジに向かった。

齋藤君に握られていた手が熱くなっていた。私の心臓もまた、激しく音を立てていた。

「リボン、ブルーにしてもらいましたけど、よかったですか?」

「あ、うん。男の子だし、いいんじゃない?」

「よかった。じゃ、行きましょうか?」

私達は、ショッピングモールを出て涼子ちゃんの所へ向かった。

この時、私達は気付いていなかった。
会社の、営業部の人間に見られていた事を。

「ね、愛美。あれって齋藤さんとまさかの永山さんよね?」
「う、うん。何?何なの?まさかっ、デートとか?」