恋愛初心者です、お手柔らかに?

パシッ

え?と思った瞬間、齋藤君に手首を掴まれ、そのまま勢いよく、齋藤君の腕の中に引き寄せられていた。

こ、これは一体どういう事なのか?
心臓がドキドキと激しく音を立てていた。
なに?なんなの?

「あ、あの齋藤君?ここ…会社だけど」

「あっ、す、すみません」

すみません、と言うのと同時に齋藤君は私を解放した。

「あの齋藤君?何かあったの?」

いくら恋愛下手な私でも分かる。
こんな、シチュエーションで、次に何がくるぐらい。
そう
『好きなんだ』
って、定番の告白だって事を。

和己さんの言った事が現実に??

齋藤君からの次の言葉を私は待っていた。

「永山さん…」

キターッ!

「ん?どうしたの?」

私のボルテージも最高潮になっていた。

「今日、時間ありますか?」

「時間?」

「天野が会いたいって…」

「へ?天野…って、涼子ちゃん?」

「家に連れてきてくれ、って…昨日、あんな事があったから声かけれなくって」

あははは。
な、何…それ。
きっと、私は拍子抜けの顔になっていただろう。ここで、泣いちゃダメだ。
いつもの先輩でいよう。うん、それがいい。それが正解だ。

「時間あるよ。連れてって」