お風呂も入り、夜のイベントのカルタ大会。なのだが……




「ちょっと待って。なにこれ、学年主任の手作りのカルタって言ってたけど……なにこれ、単語かるたなんて聞いてない。」




そう、各チームごとに配られた学年主任が作ったというカルタは……英語の単語が書かれていたのだ。それを見て私と千夏は顔を向き合わせる。



「これは地獄じゃないかな。」


「由美……それな。」




なんて、テンションが下がる私たち二人に立花くん達が苦笑する。




「神崎さんも佐藤さんも元気だして。」



「そうだぜ、1人ずつ対決するわけじゃねーんだしさ。」



「でも、相手すっごい強そうだぞ」




なんて、フォロー?してくれる永松さんと須賀くんをよそに現実を見させる立花くん。それに、千夏が食ってかかるのがこの、班になってから当たり前の光景。




「だいたい、アンタいっも授業中寝てるのになんでそんな頭いいわけ!?」



「あんなの寝てても解ける。」



「きぃーー!あんた今私と由美を馬鹿にしたわね!!私たちだってやれば出来るのよ!!英語以外!!」



「へー。じゃあ、なんで小テストの点、いつも俺より下なの。ちゃんと授業受けていつもやる気の佐藤なら、出来んだろ?」




「そ、それは……」




ことばを失う千夏に私は苦笑して、千夏の肩に手を置く。




「授業中のお喋り、または隠れてお菓子を食べるのをやめたら点数良くなるよ。」



「ゆ、由美……立花!!覚えてらっしゃい!!いつかきっと必ず、あんたよりいい点とって自慢してやるんだから!!」



「はぁー。俺よりいい点って、100点以外に点数あんのかよ。」



「ふっふーん。考えてみなさいよ。同じ点とっても結果発表される時は名前の順。あんたは、た行。私はさ行。これで勝つのよ!!」



「千夏……」



小さな抵抗に苦笑しかできなかった。





そして、始まったカルタ大会。
私と千夏は3人を挟むように座る。動ける3人を真ん中にしたのも作戦なのだ。真ん中の方がたくさん取りやすいだろう。と。




が、その作戦は意味もなく……なぜか、読まれるもの全て私か千夏の前にあって……死にそうになりながらも必死に理解してとる。




終わった頃には私たちの精神が崩壊寸前だった。