翌日の昼休み。



「筒井〜!お前まった読書かよ!ほんと本好きだな!本の虫だな!!」



真剣に読書に励む俺の元に、そんな鬱陶しいことを言いながら千葉がやってきた。



「どーせまた小難しい数学か物理の本でも…ん?家庭の医学?」



俺の読んでいる本の表紙を覗き込み、俺の顔と見比べる千葉。



「なんだよ筒井、どっか具合でも悪いわけ?」


「…まぁ、ちょっとな。動悸がするから心臓系をやられてるのかもしれない」


「何だよそれ!こえーよ!!!」



ヒィイ、と震え上がる千葉。



「動悸って…例えばどんな時に!?」


「そうだな。時間帯は圧倒的に夜が多いな。しかもなぜか、衛藤といるときに頻発するんだ。何故だろうな」



特定の時間帯、特定の人物…


これは思ったより厄介な難病かもしれないぞ…!



ページを捲る手を早める俺に、ポカン、と口をあけている千葉。ん?どうしたいつもに増してアホ面だな。



「なんだよ」


「いや…筒井…お前、本気か?」



恐る恐る、といった感じで俺に尋ねてくる千葉。