「ねぇ!こっくりさんやろーよ!」

誰かがそう言った。

「暇だしいーよー」
「あんなの絶対誰かが指動かすでしょ」
「まぁまぁ,やってもいいんじゃない?」
「怖いよ…」

このときこっくりさんなんて
やらなければよかったんだ…




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「美優,起きろ!」

「うぅーー…あと少し…」

「……おいてくぞ」

「起きるから……待って…」

私の名前は川井美優(かわい みゆ)
朝が苦手な高校2年生

「今すぐ起きないなら黒歴史みんなにバラす」

そして彼は稲崎海(いなざき かい)
同じく高校2年生で私の幼馴染で彼氏

「起きました!!!!!!」

「5分で準備しろよ?外で待ってる」

「はい!」

私の生活は朝海に起こしてもらって
準備をして学校に行き勉強し遊んで帰る。
それかサボる
両親は共働き(仕事人間)で
朝から夜まで居ない
最悪の場合帰ってこないこともある


(いつもの事だけど海の起こし方怖いんだよな…)

そんな事を考えながら準備してパンを持って
玄関を開ける

「おはよ」

「おはよっ!パン半分こしよ?
どうせまた食べてないんでしょ?」

「バレたか笑 じゃあ遠慮なく貰う」

このままずっと今みたいに楽しくて両親はほとんどいないけど海がいて…仲良しの皆がいる幸せな生活が過ごせると思ってた

「海くーん!おはよぉー!」

2人で話してるときに間に入って来たのは

「愛里(えり)…」

愛里は海のことが恋愛感情として好き
鞄や手や首にはアクセサリーが沢山ある
歩くたびジャラジャラ音を立ててる
茶色い髪には軽くパーマがかかってる

「愛里!急に走らないでよね!?」

「美沙(みさ)!おはよっ!」

「美優!ってことは海目当てで走ったのね」

「あはははは……」

美沙は美人で頭が良くスポーツ万能で
スタイルも良くてノリも良い
だからモテるんだけど彼氏は作らないし
苦しそうな顔を時折見せる
少し不思議ちゃんな子
愛里とは家が近いからよく一緒に登校する

「私もいるよ」

「うわ!びっくりした…彩月(さつき)!
なんで私の後ろにいるの?」

「美沙が見えたから追いかけてきた」

美沙の後ろから出てきた彩月は
優しいしいい子なんだけど…
なんて言うか…謎の多い女の子かな

「おい,お前ら話してるけど学校遅れるぞ」

「あ!忘れてた!」

呑気に話してたけど学校遅れそうなんだ
走ってももう間に合わないだろうな

「「サボろーよ!」」

「香織(かおり)!伊織(いおり)!」

突然現れたこの2人
香織と伊織は双子の姉妹で見た目はそっくり
だけど性格が全然違う

香織はしっかり者で現実主義の美人
キリッとしたオーラが特徴的で
伊織のことが心配過ぎて彼氏は作らない

伊織はゆったりしてて怖がりな可愛い子
香織と違ってほんわかとしたオーラが特徴で
みんなとずっと一緒にいたいから彼氏は作らない

「ねぇねぇサボるのぉ~?」

「サボろーよ!カラオケ行こ!」

「私は別にいーよ」

「俺も別にどっちでも,美優は?」

「私もいいよー」

「決定ね!」

どうせもう遅刻は確定だし
怒られるぐらいならみんなとサボって
カラオケで歌って遊ぶ方がいいに決まってる
それにみんなが朝から会うなんて珍しいし

「じゃ,カラオケ早く行こー」

「あ,みんなぁ~私やりたいのあるんだけどぉ」

「なに?」

みんながいっせいに愛里を見る

「えっとねぇ……こっくりさん!」

「暇だしいいよー」

「怖いからやめようよ…」

「愛里やめよ?」

「まぁまぁやってもいいんじゃない?」

怖がる伊織を無視してこっくりさんをやるのは
決定事項になってしまった