それを確認してすぐに、今度は自分の机へと教科書を引っ張る。

と、同時に自分の机に乗った教科書を見ながら『今の勢いじゃ、私が杉浦くんからの返事をすごい待ち遠しくしてたみたいじゃんか』なんて後悔している。


本当に私は、何をしてるんだろう。

本気で先生の声は全然聞こえてこないし、ノートも未だに全然取っていない。


だけど、今は先生の話よりも、板書よりも、杉浦くんが教科書に何を書き込んだのか……

それが気になって仕方ないのだ。


杉浦くんが書き込んでいた辺りに目を落とせば、そこに書かれた可愛い丸文字を心の中で読み上げる。


《話そらすなよ 俺はおまえが好きだけど?》


───!?


そこに書いてある文字を見て、何かの間違い!?と、何度も何度も繰り返し読み返すけれど、何度読んでみても、間違いなんかじゃなかった。


……待って待って。

『好きだけど?』ってなに?加えてなぜ疑問形なの?


この場合の『好き』ってどういう意味の『好き』なのだろう。
友達として?それとも……。

さっきから、ドキドキしすぎて心臓が痛い。
もう1人で考えていたって答えに辿り着かないと察した私が、バッ───!と勢いよく杉浦くんに視線を向ければ、


【お ま え は ?】

いつから私を見ていたのか、目が合った杉浦くんの口が確かにそう動いた気がした。