だけど、頑張って杉浦くんを手に入れた彩帆ちゃんを前に、頑張ることもしなかった私が、泣いたり羨んだりする資格なんてないんじゃないの?
つまり、この勝負は誰がどう見たって彩帆ちゃんの勝ちで、私の負け方は最高にかっこ悪い。
……せめて、引き際くらい潔くありたい。
そう思った私は、鉛のような足に無理を言って再び歩き出した。
次の瞬間、そんな私の様子を見ていた彩帆ちゃんの口元が優しく笑った……気がした。
明らかに、杉浦くんではなく私に向けられた微笑み。
これが、杉浦くんの彼女としての余裕なのかな。
……なんて思っていた私は、彩帆ちゃんの視線を追って振り向いた杉浦くんとも目が合って、心臓が止まったかと思った。
やっと、止まったばかりだったのに、早くも涙腺は崩壊寸前。
泣くな、泣くな。
ここで泣いたら、かっこ悪いぞ。
そう自分に言い聞かせて、震える足でたどり着いた下駄箱前。
ス───ッと、杉浦くんの横を通り抜けて、あたかも私は気にしてないと言わんばかりに自分の下駄箱からローファーを取り出して履き替える。
「じゃあ、私は部活に戻る!またね、佑くん」
「おー、また」
『佑くん』かぁ。
聞こえて来た2人の会話にまたしてもダメージを受ける。
つまり、この勝負は誰がどう見たって彩帆ちゃんの勝ちで、私の負け方は最高にかっこ悪い。
……せめて、引き際くらい潔くありたい。
そう思った私は、鉛のような足に無理を言って再び歩き出した。
次の瞬間、そんな私の様子を見ていた彩帆ちゃんの口元が優しく笑った……気がした。
明らかに、杉浦くんではなく私に向けられた微笑み。
これが、杉浦くんの彼女としての余裕なのかな。
……なんて思っていた私は、彩帆ちゃんの視線を追って振り向いた杉浦くんとも目が合って、心臓が止まったかと思った。
やっと、止まったばかりだったのに、早くも涙腺は崩壊寸前。
泣くな、泣くな。
ここで泣いたら、かっこ悪いぞ。
そう自分に言い聞かせて、震える足でたどり着いた下駄箱前。
ス───ッと、杉浦くんの横を通り抜けて、あたかも私は気にしてないと言わんばかりに自分の下駄箱からローファーを取り出して履き替える。
「じゃあ、私は部活に戻る!またね、佑くん」
「おー、また」
『佑くん』かぁ。
聞こえて来た2人の会話にまたしてもダメージを受ける。


