「……まじで?」
「…………そうかもね」
ほんと、顔があげられない。
資料の教科書とか、ばらまいちゃってるのに。
「近永、すき。俺、すっごくすき。やばい。えー、やばい。パニック。
……俺さぁ、そうやって、ぶっきらぼうなふりしながらも本音だだ漏れな近永が可愛いなって思ってて。ずっとアピールしてて。よかったぁ……」
手で口を覆った山田が、真っ赤な耳をさわって、「あつっ!」なんて叫ぶから。
初めて知った、声をかけてくれた理由にも、ドキドキが止まらなくて。
まっすぐに、本音を言わなきゃ、と。もう、認めなきゃなと思った。
「私も、山田が、すきだよ」
不幸のあとの告白なら、それが幸せなことだとしても、不幸はこない。プラスマイナスゼロらしい。
「……俺、もう、長袖ワイシャツやめるわ!」
長袖をまくって半袖にした、山田。
両腕を広げて、ハグを要求してくる山田。
「……」
無言で近づいていくと、ぎゅっと抱きしめられた。



